Kumi Takahara『See-Through』

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湯川潮音、ゴンドウトモヒコ、world’s end girlfriend(ワールズ・エンド・ガールフレンド)らをサポートしてきたヴァイオリニスト 高原久実(Kumi Takahara)が、デビューアルバム『See-Through(シースルー)』をリリース。クラシック・現代音楽をルーツに、繊細で暖かみのある弦楽器の多重録音とピアノがプライベートな日記のように重ねられた白昼夢のシンフォニー。

アーティストのサポートや楽曲提供など、多方面で活動してきたヴァイオリニスト 高原久実のファーストアルバム。『See-through』は2016年、高原の暮らすアパートで最も静かな場所であるバスルームで録音がスタートしました。バスタオルを吸音材として使用し、シンクの上にマイクを設置して、洗濯機の上にノートパソコンを置いてバランスをとりながら録音されたというデモを元に、ヴァイオリンを中心とした弦楽器、拾い集めた音、キラキラと光るピアノをシームレスに重ねたこの作品は、小さな生活空間から生まれた真に個人的な音楽だといえます。

クラシックのヴァイオリン奏者でマルチプレイヤーでもある高原は、ヴィオラやチェロ、コントラバスといった弦楽器に、繊細なピアノや具体音を加え、生命力に満ちた質感のある音楽を生み出します。オープニングの「Artegio」から、ピアノが温かみのある背景を描き、柔らかなストリングスが雲のように現れます。軽快で遊び心に溢れた「Ditty」、時計の針や石油ストーブなどの音のコラージュが織り成す質感の中に様々な記憶が浮かび上がる「Nostalgia」、フーガと低音の柱が織り成す空間を、潮の満ち引きとともにストリングスが空へと舞い上がる感動的なシンフォニー「Tide」。気づかない日常の隙間を縫うように繊細に表現された楽曲には、高原のクラシックのルーツを感じさせつつも、現代的な嗜好が反映されており、aus(アウス)やThe Boats(ザ・ボーツ)の二人の力を加えてユニークで生々しい音の融合を実現しています。『See-through』は、まるで繊細なオーガンジーの布を通した太陽の光に照らされた世界へとリスナーを誘うだけでなく、アーティスト自身の内面をも垣間見るような、白昼夢のように美しい音楽です。

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高原久実(Kumi Takahara)とは

東京生まれ、国立音楽大学弦楽器専修首席卒業。ヴァイオリニストのコンサート映像を見て、3歳からヴァイオリンを始める。大学卒業後ウィーンに渡り、研鑽を積みながらヨーロッパ各地で様々なレコーディングやコンサートに参加。この頃から弦楽器の可能性をクラシック以外にも求め、自身の作曲活動もスタートさせる。帰国後はクラシックでの演奏活動と並行し、アーティストのサポートや楽曲提供、プロデュースから映像作品のディレクションに至るまで、演奏のみに留まらない多岐に渡る活動を展開。多様な音楽との対話を通して、現代音楽の要素を随所に感じさせつつも、淡い色彩をまとった静謐な作品を制作している。

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